葉もの野菜
「食べやんとわからへんから」
消費者にわかってほしい手間と想い
高齢化や後継者不足などを理由に農家は少しずつ減少。それをなんとかしようと10年ほど前、村で約30軒の農家が集い「曽爾村ほうれん草部会」が発足した。各農家が共同しながら年に5~6回ほど、ほうれん草を作りながら、合間に葉もの野菜も育てている。中でも「大和寒熟ほうれん草」は、曽爾村だけしか作っていない冬限定の稀少食材で、「(消費者に)その違いを食べてわかってほしい」という想い一つで、手間暇をかけ作り続けている。
食べやんと
わからへんから
大和寒熟ほうれん草の栽培に力を入れています。一番いい時期には、大和寒熟ほうれん草の糖度が15%まで上がることもあります。食べた人はみな「こんなほうれん草食べたことない」と言ってくれます。皆さんも、その違いをぜひ一度食べ比べてみてください。
ほうれん草農家
大向 正憲さん
手間の分おいしい
その価値を伝えたい
私のところでは、海外の研修生制度を採用していて、毎年2〜3名ほど住み込みで農業を手伝ってくれています。私も大和寒熟ほうれん草の栽培をしていますが、時間も手間もようけかかるのに、通常のほうれん草と価格の違いが10円〜30円しか違わない。その違いを、消費者の皆さんにもっと知ってほしいと思っています。
ほうれん草農家
萩原 茂さん
作付け面積を増やし
少しでも多く出荷したい
私は、元々奈良県農業大学校を出て、アメリカに研修に行かせてもらい、帰ってきてから親の家業である農業を継ぎました。これからは、ほうれん草や葉物野菜の作付け面積を増やしながら、次世代にもつなげていきたいと思っています。
ほうれん草農家
田合 利文さん
一人でも多く
未来の後継者へ繋ぎたい
私は妻と一緒にほうれん草の栽培を始めて25〜26年になります。その他、千筋みずななどの葉もの野菜も合わせて出荷しています。これからは、曽爾高原ブランド野菜としてほうれん草農家の後継者を一人でも増やしていきたい。かつ生産量ももっと増やしていきたいです。
ほうれん草農家
奥西 章夫さん
おいしく作ってきちんと売れる
それが農家にとって一番の喜び
私は、元々農林業をやってまして、ほうれん草農家になって40年が経ちます。今も林業は続けていますが、どんどん価値が下がってきて、これだけでご飯を食べるのは難しい時代になりました。これからも、ほうれん草をうまくつくって、それが適切な価格で売れてくれたら、農家にとっては一番です。
ほうれん草農家
田合 松夫さん
とまと
“安いからではなく、
曽爾高原ブランドとして買ってほしい“
現在、曽爾村のとまと農家は10軒にも満たない。この小規模で、北海道や他の産地に量で勝とうなんて思わない。大事なのは、「曽爾高原で育つブランド」だと思っています。寒暖差があり、夏でも涼しい。だから、秋まで収穫がのび、とまとの栽培にも適している。何より嬉しいのは、夏の時期になるとこの味を求めて、直接曽爾村まで買いに来てくださるお客様の存在。7〜10月末まで、出荷場で直売しているので、ぜひいらしてください。
次の一手は
若い子らを成功させる
正直とまと農家は苦しいです。でも、僕らがやめてしもたら、曽爾村のとまとがだされへんようなります。もちろん目先のお金も必要ですが、今一番は継続していかなければ意味がないということ。次世代を担う若手の子らを成功させてやらんとあきません。
とまと農家
寺前 健史さん、睦さん(妻)、
誠二さん(父)、洋子さん(母)
とまと栽培は難しく
同じとまとは
二度とできない
私はずっと曽爾村の出身で、20年前に林業からとまと農家に移行しました。とまと栽培は難しく大変で、1年と同じとまとはできません。その個性を食べて、味わってほしいと思います。
とまと農家
堂前 利行さん、孝子さん
一人でも多く、
食べ続けてほしい
20年ほど前は、とまと農家も50軒近くありました。でも、近年とまとの市場は飽和状態で、どんどん価格は下がるばかり。少しでも、とまとの価値があがって、皆さんに食べ続けてもらえたら幸せです。
とまと農家
寺脇 宏和さん
自然が相手
リスクがつきもの
れいかという品種で育つ曽爾高原とまとの他に、いろんな品種のとまとを育てています。年によって、台風や大雨などの災いによって、肥料の具合によって、とまとの大きさ、量、味、食感、すべて異なります。
とまと農家
尾田 高行さん、恵美子さん
正直大変です
でも、楽しい
就農してまだ4年です。5棟のハウスで約700本のとまとの株を育てています。中には1万株を育てている農家さんもいて、まだまだ少量の身ですが、それでも毎日大変です。でも、実った瞬間、なににも変えがたい喜びを感じます。
とまと農家
田中 佐知さん
曽爾の環境が好き
農ある暮らしを実現
農ある暮らしを実現したく、この曽爾という自然環境に一目惚れして移住して来ました。現在(2018年夏)は、寺前さんのところで2年間、研修させていただいてます。2019年4月に独立し、この大好きな土地で新規就農します。
とまと農家
浅田 仁美さん
顔が見える関係の中で
新たな曽爾ブランドを
私も、2019年4月に独立します。すでに、寺前さんの元で研修させていただきながら、その横の畑で自分の圃場を持ち、独自で販売ルートを広げています。現在は、飲食店へ直接降したり、県外でマルシェをしながら、新たな曽爾ブランドを確立したいです。
とまと農家
中野 展宏さん